耳鳴りやめまいは薬では治りにくい、ストレスをためず体を動かすことで自然に治る [耳鳴り]
ひどいめまいは救急車を呼ぶほど重症化するケースも
めまいを引き起こす代表的な病気に、「良性発作性頭位めまい症」耳鳴り、難聴を伴う「メニエール病」めまいを伴う「突発性難聴」「前庭神経炎」があります。いずれも、自分や周囲の風景がグルグル回っているように感じる、回転性のめまいを伴うのが特徴です。めまいとは、自分や周囲の物が動いていないのに、動いているような異常な感覚を指します。めまいの7割は、耳の病気が原因で起こり、生命の危険がないものです。
しかし、突然予兆もなく、天井がグルグル回る、胸がムカムカする、頭がだらっとするなどの症状に見舞われるので、パニックを起こす人は少なくありません。
救急車で搬送された患者さんのうち、およそ50人に1人が、めまいを訴えての受診でした。救急車を呼ぶほど、めまいは強い恐怖をもたらす症状というわけです。では、めまいが起こるしくみをご説明しましょう。
耳の最深部にある内耳には、聴覚をつかさどる蝸牛と、体のバランスをつかさどる三半規管と耳石器があります。
この二つを合わせて前庭器と呼びます。三半規管は、体の回転運動を感知する器官です。その内部はリンパ液で満たされており、リンパ液の流れ方から、頭や体がどのような速さで、どの方向に回転したかをとらえます。
一方、耳石器は、体の動きや傾き、重力などを感じ取る器官です。耳石器の中には、耳石という小さな石が入っています。頭を動かすと耳石も動き、その動きを感覚細胞がとらえ、体の傾きや動きなどを認識します。そして、その情報は、神経を介して脳に送られます。脳は、その情報を整理し、全身に体のバランスを保つよう指令を出すのです。
このように、左右の内耳にある前庭器は、体のバランスを取るセンサーとして働いています。しかし、左右どちらかの内耳のセンサーが故障すると、脳に送られるバランスの情報に左右差が生じます。
例えば、実際には「頭が30度傾いている」とします。ところが、故障している側のセンサーは、「頭の位置はまっすぐだ」という誤った情報を脳に送ってしまいます。左右の前庭器から送られる情報にこうしたズレが生じると、脳が混乱して、めまいを感じるというわけです。
めまいを起こす人はストレスを抱えている
日常生活でめまいを予防・改善するコツは、二つあります。一つは、ストレスをできるだけ避けること。もう一つは、薬にへいこう頼らず、リハビリ(平衡訓練)を行うことです。まず、ストレス対策についてお話ししましょう。「ストレスなんて誰にでもある」と思われるでしょう。しかし、ストレスは想像以上に、めまいに悪影響を与えます。特に、メニエール病の発症や悪化は、ストレスが深く起因しています。めまいを起こす前の生活や、めまいが悪化・再発したときの生活について聞いてみると、「寝不足が続いていた」「介護で疲れ切っていた」「人間関係がうまくいかず落ち込んでいた」など、ストレスを抱えている人が実に多く見られます。
ストレスは、その人の体の弱点を直撃し、めまいを誘発したり、めまいの悪化・再発を促したりするのです。ですから、できるだけストレスを避けながら生活することが重要です。以下の3点を意識しましょう。
1.睡眠時間を増やす
「その日の疲れは、その日のうちに取る」を目標に、今までよりも1時間でも多く睡眠時問を増やしましょう。よく眠ることで体力が回復し、めまいの悪化・再発の予防につながります。https://comfortable-sleep.info/contents/2.積極的に気分転換をする
今まで我慢してできなかったこと、ほんとうにやりたかったことに挑戦してみましょう。着てみたかった派手な服を着て出かける、行ってみたかった居酒屋をのぞいてみる、日帰り温泉ツアーに行ってみるなど、心ときめく体験を増やし、気分転換を図ることで、ストレスがたまりにくくなります。3.自分を大切に
人づきあいで相手を思いやることは必要ですが、人に合わせ過ぎない、気を遣い過ぎないことも、ストレス対策には重要です。高齢の人であれば、子供夫婦から孫の世話を頼まれても、「今日は無理だから、また今度ね」といってかまわないのです。趣味のサークルなどで苦手な人や嫌いな人とは、無理につきあうことはありません。さりげなく距離をおきましょう。
次に薬についてですが、めまいの症状が強い「急性期」では、薬で症状を抑え、安静に過ごすことが大切です。
しかし、強い症状が治まったあとの「慢性期」に入ったら、安静にしていてはいけません。「不調だから、薬を飲んで横になろう」という気持ちはわかりますが、体を動かさなければ筋力・体力ともに低下し、全身の血流も悪くなります。耳の血流が悪くなれば、内耳のセンサーの働きも回復しません。
薬は症状を和らげることはできますが、あくまで対症療法です。めまいを根本から治すことはできません。
https://more-supplement.info/use/archives/1493
コメント 0