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高血糖も心臓病のリスク [心臓]

糖尿病→動脈硬化→心筋梗塞の危険度が3倍も高くなる

糖尿病の患者さんには、心筋梗塞が多く起こります。このことは、インターハートという、世界262の施設で行われた大規模な疫学調査で実証されています。糖尿病は、冠状動脈(心臓の筋肉に酸素や栄養を供給する血管)の動脈硬化(動脈の老化)を進行させ、狭心症や心筋梗塞などの心臓病の原因になるのです。このほか、糖尿病の患者さんは*糖尿病心筋症を起こすこともあります。

まずは、糖尿病と、心臓病の最大原因である動脈硬化との関係からです。
動脈硬化を招く大きな原因は、高血圧です。血圧が高くなると血管にかかる負担が増し、血管の弾力性が失われて硬くなるため、動脈硬化が起こります。
また、動脈硬化が起こると血液の通り道が狭くなるため、血圧がさらに高くなるのです。糖尿病は、この高血圧を引き起こしやすいことがわかっています。

ある報告では、糖尿病の患者さんの40~60% は高血圧を合併し、高血圧の人の30% が糖尿病を合併するといわれています。
驚くべきことに、糖尿病と高血圧という二つの病気がある人は、両方ともなりやすい人に比べて、心筋梗塞や脳梗塞などの発症率が4~9倍も高くなるのです。
また、糖尿病の患者さんは、健康な人に比べて20~30年も早く動脈硬化が起こったり進行したするといわれています。糖尿病は、動脈硬化を発生・進行させるのです。そのしくみは大きく二通りに分けられます。1つは、高血糖そのものが原因で起こる動脈硬化です。ただし、くわしいしくみはまだ解明されていません。

高血糖になると血管が砂糖漬けの状態になり、血管の内皮細胞が障害され、中腹の筋肉内にあるたんばく質などが変性して動脈硬化を起こすことが、可能性として考えられています。

もう一つは、血糖が二次的に引き起こす脂質異常症(いわゆる高脂血症)です。血液中の中性脂肪やコレステロールなどが増えすぎると、血液が血管を通過するさい、血管壁の傷ついた部分に脂質が沈着します。その脂質が酸化されたり、酸化を抑えるために集まっしがいてきた白血球の死骸がたまったりして、血管壁の傷がさらに深くなり、血管内膜が壊死したり、お粥のようにただれたりするのです。
こうしたタイプの動脈硬化を、アテローム性(粥状)動脈硬化といいます。糖尿病によって起こる動脈硬化の大半は、アテローム性動脈硬化です。

アテローム性動脈硬化が起きると、血管狭窄や血栓閉塞が起こりやすくなります。
一方で、糖尿病にかかると血小板の凝集能力が活発になり、血栓(血液の塊)ができやすくなります。そのため、糖尿病の患者さんは、血栓が血管につまって起こる心筋梗塞などの発症率が、健康な人の2~3倍も高くなるのです。また、心筋梗塞で死亡する確率や再発率が約4倍も高いという報告もあります。

糖尿病の患者さんは動脈硬化の程度がひどく、さらに全身の動脈硬化も招くため、合併症が起こる危険も高くなります。

糖尿病網膜症は失明を招く危険あり、糖尿病腎症は悪化すると、血液透析が必要になります。また、神経障害になって足が壊死してしまうと、最悪の場合は切断しなければなりません。

このように、あらゆる危険な病気の原因となるのが糖尿病です。心臓病もその1つなので、心臓病を防ぐためには、まず糖尿病を発見することが大切だといえるでしょう。

一般に糖尿病は、空腹時血糖値(基準値は160~190mg、126mg以上が糖尿病と食後血糖値(基準値は120mg未満、200mg以上が糖尿病)の2つによって診断されます。ところが、空腹時血糖値が正常であっても、食後血糖値が高い人は油断できません。動脈硬化が進行したり、心筋梗塞や脳梗塞になったりする危険が、糖尿病の患者さんと同じくらい高くなるからです。

そこで重要になるのが、ヘモグロビンA1cです。基準値は4.3%~5.8&の数値です。ヘモグロビンA1cを調べれば、過去2ヶ月間の血糖値が高かったのか低かったのか、あるいは基準値域内であったのかがわかります。ヘモグロビンA1cの数値が低い人ほど、動脈硬化が起こりにくく進行も抑えられることがわかっています。さらに、ヘモグロビンA1cが0.9% 下がると、心筋梗塞の発生率が10% 下がるという報告もあります。

「血管はもっと若返る」のサイトでは動脈硬化を防ぐためのさまざまな生活習慣、食習慣が紹介されています。糖尿病患者さんは必見です。

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